産後の悩み・腰痛・肩こり・膝痛
【年代・性別】
30代半ば 女性
【主訴】
腰痛・肩こり 産後の悩み(手首腱鞘炎・両膝・両踵骨痛み)
【既往歴】
特になし
【来院に至った経緯】
妊娠5か月目。妊娠しているお体で、IT系の仕事を続けていて、長時間デスクワーク。残業多く 疲れが抜けない。長い時間座っていて、背中~腰の筋緊張がつよく 筋肉がつっぱっている感じがして痛い。パソコンの画面を見る時間が長く、目がかすんでしまい疲れる。姿勢が前のめりになって画面をみるので、頚や肩もつっぱってきて 時より頭の横側がズキズキ痛む。懐妊しているので、お薬は控えている。睡眠時間も少ない日があり、ストレスも多くなってきた。体の不調を直していきたいし、出産前に健康な体になっておきたいとの希望で、ホームページを見て来院されました。
【初診の状態】
左仙腸関節の可動制限と浮腫
左上部頸椎にスポンジ状の浮腫
後頭下筋の緊張
腰背部起立筋緊張
【所見】
頸部:バレ・リュー(―)、マイグネ(―)
ROM:制限なし
腰部:SLR(―、―)
ROM:制限なし
MMT 問題なし
【体表温度検査】
S2、L5、C6、C1
【視診】
左短下肢
左耳介上方
左腰部起立筋の膨隆
左臀部横幅が狭まり後方へ隆起
【静的触診】
左仙腸関節全体に浮腫
左上部頸椎にスポンジ状の浮腫
後頭下筋の緊張
【動的触診】
左仙腸関節、L5、C6、C1
【レントゲン評価】
頚椎前弯カーブ減少
L5椎間板D2レベル
【リスティング】
左PIEX、C6PRS、ASL
【来院日】 計10回
R6.2/17・3/16・9/7・9/19・10/2・10/17・10/28・11/7・11/20・11/30
【経過と内容】
左骨盤の可動域制限が顕著。体表温度検査と静的触診など総合的な検査結果から初期集中期(来院から1ヶ月)は、週1回のケア計画を提案した。
初回 骨盤のサブラクセーションが顕著だったため 骨盤部のアジャストを行いました。
4週目(2回目のアジャストメント)
妊娠6か月。骨盤部へ軽めのP-Aポンピング。上部頚椎へのアジャストを行いました。
29週目(3回目のアジャストメント)
妊娠後期は、北海道に帰省していて、産後1か月検診後来院。
仙腸関節に浮腫が顕著。明らかに、左仙腸関節がロックする。
乳幼児がいるので睡眠不足と同じ姿勢をとるので、腰が痛む。
副交感神経に絞り、骨盤部と上部頚椎をアジャストしました。
33週目(5回目のアジャストメント)
両膝、両踵、左手首、左肩に痛みが出てくる。
仙腸関節の浮腫が軽減してきたが、引き続き残存。
下部頚椎に浮腫とカサカサした皮膚の質感がある。
骨盤部のサブラクセーションが顕著の為 リスティングを変えずアジャストメント行う。
38週目(8回目のアジャストメント)
両膝、両踵、左手首に痛みが軽減してくる。良質な睡眠もとれてくる。仙腸関越と左上部頸椎にスポンジ状の浮腫 明らかに軽減してきた。
41週目(10回目のアジャストメント)
産後から出てきた、両膝・両踵・手首・肩の痛みは、少し残存するがかなり痛みが無くなってきた。睡眠もとれてきてストレス軽減してくる。日常生活が楽になってきた。
状態が安定してきたので、間隔を明けてみることにした。
【考察】
今回の症例では、骨盤のサブラクセーションからの下肢への影響、自律神経系の症状もみられ、問題の神経系を絞ってアプローチをすることにより段階を踏んで経過をみていくことが出来ることを改めて実感できた。
自律神経は交感神経と副交感神経があるが、交感神経は車に例えるとアクセルの部分であり、副交感神経はブレーキの部分にあたる。副交感神経のサブラクセーション(根本原因)により自律神経のバランスが乱れ、交感神経が過剰に働くことで機能が亢進し過ぎた結果、休息のスイッチが入れられず睡眠負債になってしまっていたと考えられる。
今回の症例のように、自律神経の問題があるケースでは必ず問題の神経系を絞ってアプローチすることが重要である。過剰に働いている神経を抑えるために副交感神経のみにアプローチしたことが結果に繋がったと考えられる。痛みを追いかけず、神経系を絞ってアプローチすることの重要性が分かる症例である。