10年来の頭痛・肩こり・頚部痛・生理不順
【年代・性別】
30代半ば 女性
【主訴】
頭痛、頚部痛み、ひどい肩こり、背腰部痛
【既往歴】
子宮筋腫
【来院に至った経緯】
10年来の頭痛があり、頭痛薬を毎日1日3回 10年の間飲み続ける。原因を探すべく各種検査を医療機関で行うが、はっきりとせず 服用加療されていた。体調が悪い日が多くなり 気持ちの部分でも、落ち込む頻度が多くうつ病の様な症状になってくる。
主に後頭部や側頭部に、締めつけられる痛みと頚の筋肉が固くて息苦しさもある。
病院の受付事務の仕事している。症状の改善をあきらめかけていたが、当院来院されているお姉さんが元気になってきてる姿をみて 姉の紹介で、当院へ来院される。
1月~2か月に1度 名古屋から新幹線で通院されている。
【初診の状態】
右仙腸関節の可動制限と全体の浮腫
腰部起立筋と右臀部過緊張
C1の右可動制限と胸鎖乳突筋の過緊張
【所見】
腰部:ROM制限なし
頸部:バレ・リュー (―)、マイグネ(―)
【体表温度検査】
S3、L5、C6、C1
【視診】
右短下肢
右耳介上方
腰部起立筋の膨隆
【静的触診】
右仙腸関節全体に浮腫
右上部頸椎にスポンジ状の浮腫
後頭下筋の緊張
【動的触診】
右仙腸関節、L5、C6、C1
【レントゲン評価】
頚椎の前弯減少傾向
腰椎の過前弯傾向
L6の仙骨化
【リスティング】
右PIEX、S3PRI-C、C6PLI-L、C1ASR
【来院日】 計11回
R4.10/9・11/2・12/18・R5.2/22・6/13・7/25・9/23・11/22・R6/2/20・5/12・7/20
【経過と内容】
頚椎と腰椎の椎間板がD3-4レベルと慢性的だったため、週2回の来院を提示したが、
名古屋から来ることもあり、不定期のケアからスタートすることにした。
・初回 骨盤のサブラクセーションが顕著だったため 骨盤部のアジャストを行いました。
頭痛の症状の変化みたく 副交感神経の骨盤をアジャストメントして経過を見ました。
・3週目(2回目のアジャストメント)
初回のアジャストメントで、頭痛の症状が軽くなってきて、睡眠もとれるようになってきた。各種検査行い、上部頚椎にサブラクセーションがあり 副交感神経領域のC1ASRアジャストメントもしました。頭痛薬服薬頻度変わらず。薬物乱用頭痛も考慮。
・35週目(5回目のアジャストメント)
頭痛薬服用頻度が1日1回になりました。頭痛の回数も少なくなってきました。
ご結婚され、妊活する為 健康の身体になりたいと、健康への意識がかなり変わってきて表情も明るくなってきました。子宮筋腫の既往症あり。骨盤部と上部頚椎へのアジャストメントへのアプローチ変わらず。
・49週目(7回目のアジャストメント)
通院され約1年。10年来悩んでおられた頭痛がなくなってきました。頭痛薬の服用もなくなりました。ご本人、お姉さんもとても喜んでいました。骨盤部と上部頚椎周りの浮腫軽減。可動域も向上されていました。
・58週目(8回目のアジャストメント)
初診時あった症状がほぼ無くなってきて、安定。
子宮筋腫が残存と、疲労などからくる不調などのケアで2か月に1回の頻度でメンテナンスで来院されています。
【考察】
今回のケースでは、骨盤部と上部頸椎という副交感神経支配に反応が強くあったことから交感神経が過剰に働くことで自律神経のバランスが乱れ、その結果として頭痛・肩こり・生理不順などにも繋がっていたと思われる。
上部頚椎と体の土台である骨盤が安定し、自律神経の働きも正常に戻ってきたことで全身の緊張が軽減され 頭痛・首・肩こりの軽減に繋がったと考えられる。
頭痛に関しては、時間帯や天候の変動などは関係なく、また頭痛が出る場所や頭痛の質が変わるケースに関してはホルモンバランス異常が考えられる。自律神経のバランスが乱れることで、体の各ホルモン分泌器官と脳の情報のやり取りが上手くいかなくなることでホルモンバランス異常を引き起こしていたと考えられる。
首こり・肩こりでは交感神経の働きが過剰の場合、痛みを伴うことが特徴であるが、交感神経が過剰に働いている場合、常に緊張状態が続き筋肉は過緊張となりやすい。そのため脳は副交感神経によって筋肉を緩めようとするが、その時にプロスタグランジンというホルモンが分泌される。プロスタグランジンが過剰に分泌されることで炎症を起こし痛みを伴ってしまう。
生理不順は、脳と卵巣を繋ぐ神経の流れが阻害されることで起こる。生理周期は卵巣から分泌されるエストロゲンやプロゲステロンだけではなく、脳下垂体から出る卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体化形成ホルモン(LH)などさまざまなホルモンが関連し合い、1つの周期を作り出している。
自律神経のバランスが乱れたことで女性ホルモンの分泌にも異常をきたと考察します。
副交感神経のサブラクセーションにより、交感神経が過剰になることで血行不良が起こり、体全体の代謝や排毒作用が低下してしまう。その結果、子宮内膜や経血を体外に出そうとプロスタグランジンというホルモンが過剰に分泌されてしまう。このプロスタグランジンの分泌量が多くなりすぎると、子宮の収縮が強くなり過剰な生理痛を誘発させてしまう。
今回のケースでは集中的に副交感神経支配領域へのアジャストメントを行ったことにより、脳と身体が神経によってしっかりつながったことで症状の解消につながったと考えられます。神経系を絞ってアプローチすることの重要性が分かる症例である。